遅れ馳せながらユーミンのデビュー40周年ベストアルバムを入手しました。ユーミンを『パンク少女』と断言する、小林克也が書いたライナーノーツも面白いのです。(文中敬称略)
松任谷由実(荒井由実)の40周年記念ベストアルバムを買ってみた
ずっと買いそびれていたCDをやっと購入しました。
2012年に発売された『ユーミン(松任谷由実・荒井由実)の40周年ベストアルバム』3枚組です。
このアルバムには、当然ながらデビュー以降のヒット曲が収録されています。ただし1曲だけ2012年にレコーディングされた曲が入っています。
プロコル・ハルムと共演した『青い影』が収録されている
新しく吹き込まれた曲は、イギリスのロック・バンド ”プロコル・ハルム / Procol Harum” と共演した『青い影 / A Whiter Shade Of Pale』です。
1970年代のプログレッシブ・ロックの先駆者と言われるプロコル・ハルムについては プロコル・ハルムの衝撃デビュー曲「青い影」実は反戦ソングだった? に書いたことがあります。
▼『青い影』のオリジナル▼
PROCOL HARUM – A Whiter Shade Of Pale – promo film #2 (Official Video)
プロコル・ハルムの『青い影』は、ユーミンが13才のときに出会って自ら楽曲を作り始めるきっかけとなった曲とのこと。
デビュー40周年を機に、ユーミンがプロコル・ハルムにその想いをぶつけ、共演ツアーが実現したのでした。

ユーミンはパンク少女!?
40周年記念アルバムの「ライナーノーツ」はラジオDJの小林克也が書いています。これが実に面白い。
小林克也はユーミンを『パンク少女』と呼んでいます。
プロコル・ハルム等のロックの影響を受けたユーミンの原点を知り、このライナーノーツを読みながら各曲を聴いてみると、妙に腹落ちします。
荒井由実 – ひこうき雲 (from「日本の恋と、ユーミンと。」)
小林克也がユーミンを「パンク少女」と断言する具体的例として挙げる曲名は、上の『ひこうき雲』(デビューアルバムのタイトルでもある)。
それと『DANG DANG』や『リフレインが叫んでいる』です。
松任谷由実 – DANG DANG
松任谷由実 – リフレインが叫んでる
ユーミンを境に「女の歌」は「個人の歌」になった。
同じライナーノーツで小林克也が語るエピソード。
1977年に英BBCのDJ ”ブライアン・マシュー / Brian Matthew” の来日時に、ユーミンの『卒業写真』を聴かせたところ、一行は「日本のパンクだ!」と盛り上がり、アルバムをイギリスへ持ち帰ったそうです。
荒井由実 – 卒業写真
そして、小林克也が書いてイギリスのDJたちに渡したとする「ユーミンの紹介文」が秀逸です。
後半部分を抜粋。
・・・
「先輩達、ウソの衣は脱ぎましょうよ!」
文学の香りを押さえたカジュアルな詩に、女の情念をカットした極端なヴォーカル・スタイル。日本女性のホンネが伝わる。
ハングリー状態だった上の世代まで巻き込んだ。
今まで、こんな「声」はなかった。
情念を伝える武器、ヴィブラートはゼロ。
クールでメローで鋭く突き刺さる。
ユーミンを境に「女の歌」は「個人の歌」になった。
『松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。』ライナーノーツ / 小林克也 より引用
これですよ、これ!!
今までユーミンの魅力を端的に語ることができなかった私は、嬉しくなって思わず膝を叩いたのでしたヽ(^。^)ノ